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閉ざされた時-1993- [物置から]

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(MINOLTA α7700i / AF ZOOM 35-105mm f3.5-4.5 / Tri-X / EPSON GT-X970)






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30年前、まだ社会人3,4年生だった頃、大学写真部のOB連の開催する写真展に出展の声を掛けていた
だいた。
当時、大学の学科別同窓会で学生向けに建築設計競技(コンペ)の企画・運営を担当していた。
課題の作成や作品募集のポスター制作も仕事のうち。
そして、この年のテーマは「被爆建物を考える」。
ポスター制作と、課題資料作成のために市内に現存する被爆建物、遺構を見て回った。
そして、ポスターの素材として選んだのは「旧広島陸軍被服支廠」。軍服や軍靴などを造っていた工場
であった。


戦後は日本通運の物流倉庫や広島大学の学生寮として利用されていたが、この当時には既に利用を終え
空き家状態であった。大きく歪んだ鉄窓は吹き抜けた原爆の爆風の凄まじさを伝え、原爆ドームに並ぶ
代表的な被爆遺構と言ってもよい。
ポスター制作用に多くのカットを撮影したが、その中から写真展にも「閉ざされた時」と言うタイトル
で出品した。
一粒で二度美味しい。


これらを撮影した頃はまだ敷地内に立ち入る事ができ、隣接する高校生が通学に通り抜ける姿も見られ
たが、その後敷地は封鎖され特別に許可を得なければ見学もできなくなった。
国所有と県所有を合わせて計4棟が遺るそこは、何度も再利用、活用の案が出されては消え、一時はとう
とう「1棟保存、残り3棟は解体。」との声も聞こえるまでになった。
しかし、この場所のもつ意味、価値を守ろうとする人々の声により今は「4棟保存。」の方針が示され、
その前段階として国重要文化財指定への道を歩んでいる。


そんな思い出のあるネガを実家の物置にみつけた。
一粒で三度目を味わう。







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コメント 4

kome

爆風受けているのですね。
終戦の日、なんとなく過ごしてしまいました。

by kome (2023-08-15 18:56) 

icarus

>komeさん
爆心地から約2.7km離れているんですが鉄の扉が歪むって凄いです。
by icarus (2023-08-16 23:18) 

JUNKO

原爆のすごさを改めて感じますね、こういう貴重な場所はまだまだあるのでしょうね。
by JUNKO (2023-08-17 20:37) 

icarus

>JUNKOさん
街の新陳代謝とともに被爆遺構も姿を消していきますが、遺せるなら活用して残したいですね。
by icarus (2023-08-17 22:09) 

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